何でこんな大事な時期に⁉子供が受験勉強したがらない本当の原因とは?

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こんばんは
悩みすっきりカウンセラーの山本記大です。

お盆も終わったところで、今度は再び緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が全国各地に発令されました。子育てに励む親御さんたちは、自身の感染症対策に気を遣いながら子供のことも気にかけないといけないのですから苦労も人一倍ですね。

今日は忙しく子育てに励む親と受験勉強真っ只中の子供の物語です。



突然起きた子供の異変

これは実際に起きた親子の事例です。最終的には僕の悩み相談カウンセリングを受けただけではなく、
提案を出したうえで、自力で解決することを選んだ40代半ばのシングルマザー(Aさん)がいました。

それは今と同じ8月のことでした。
18歳の高校生3年生で来年受験を控える娘さんが夏休みに入ってから、高校で出された宿題と学習塾の夏期講習を受講することを全くやらなくなってしまったのです。
一般的には
『夏休みは受験勉強の天王山』
『夏休みどれだけ勉強したかによって試験直前になって学力が開花して逆転合格もあり得る』
と言われています。

現状の模擬試験で判定される偏差値だけでは評価が難しいです。
僕自身がその体験者であり、かつては僕も学習塾講師だったので、他の子供が逆転合格する体験者になる
光景を目の当たりにしてきました。

その時期に子供が
受験勉強したくない。夏期講習にも行きたくない。何もしたくない
お母さんの話なんか聞きたくもない
と言い始めて無気力状態になったのです。親であるAさんは何とか説得してもう一度受験勉強させようと
仕向けますが、効果がありません。

『難関大学だって夢じゃないのに…何でこんな時期に…』
Aさんは焦りを感じながら実践してみるものの効果がなく、困って僕の悩み相談に訪れたのです。
もともと、Aさんとはずいぶん前から知り合いで交流もありました。それが決め手だったのかもしれません。

受験勉強したがらない息子の心理とは?

まず娘さんが受験勉強をしなくなってしまったのか?を検証していきましょう。
ただの受験疲れであれば、息抜きすればいいのかもしれません。
実際は大学受験が終わっても娘さんの大学生活と今後の親子関係にも影響を与えかねない問題です。

突然『受験勉強したくない。夏期講習も行きたくない。
と言い始めた心理は、
何か満たされたいのに満たしてもらえない愛情不足から端を発している『拒絶の欲求』です。

心のつぶやきとして
ふん、またいつものアレが始まったよ
まただ。そうやって私のこと、私がどんな思いで勉強しているのか?わかろうとしないじゃないか。
だったらもういい。もう知らん。放っておいて。
と心の中で密かにつぶやくようになり、だんだん拒否・拒絶・否定・無気力・無価値感など
何もかもどうでもいいと感じるようになります。

この拒絶の欲求は、何か欲しい欲求が満たされない状態から起きます
お話によれば、娘さんは難関大学に手が届くほどの学力だと言いますので、
受験勉強にかける想いも努力も並大抵ではないでしょう。
ましてお母さんがシングルマザーなのでお母さんのお金や子育ての苦労も肌で感じてきたのでしょう。
おそらく、片親の状態で育ってきたので親の期待に応えようとする気持ちも強いのでしょう。
彼女自身も親孝行の気持ちだけではなく、日頃の努力や結果そのものだけにとどまらず、
努力や結果を通して自らの存在価値を認めてほしいという欲求も相当強いかと思われます。
彼女からすれば、努力や結果を通して自身の存在価値を認めてもらうことが自身の居場所を確立すること
につながると考えているのでしょう。

今回の娘さんの態度や言動は、認めてほしい欲求を満たしてくれないお母さんへの反抗なのです。

では、どのように対応すればいいのか?

しかし娘さん自身はお母さんに反抗しているだけなので、
本当はどうしてほしいのか?』の意志表示をしていない状態で本心・本音が隠れているのも問題です。
これでは、お母さんも対応に困るだけで、なかなか問題解決には至りません。

どのように対応すればいいか?というと、
まずはお母さん側が
娘さんと関わる時間を作って話を聴いて心に溜めていることを吐き出させること
です。
アドバイスは聞かれてからすることに徹することです。
一度は何か欲しいものをあきらめて心を閉ざしたのです。最初は何も話したがらないでしょう。
でも少しずつでも娘さんと一緒にいる時間を作る中で、娘さんも話し始めます。

『そんな能天気なことを言って。子供が受験浪人したらどうするんだ』と声もあるでしょう。
確かに受験浪人することは、時間も予備校に行く受講料もかかります。
この親子問題は、放っておくと娘さんが大学進学・社会人になってからも影響を及ぼします。
欲求は心の栄養・養分です。
この欲求が十分みたされていないと、心が成熟せずに情緒不安定になりやすくなります。
受験勉強さえ乗り切ればと思うでしょうが、大学に受かってから
『大学行きたくない。退学手続きしてきたから』と言いだして問題が再燃する可能性もつきまといます。
実際に僕が大学生だった頃の当時の友人に、大学4年生になって突然退学した人が1人いました。

いくら受験勉強で時間が限られているからといって焦ったりしないことです。
焦るのは、『親御さん自身が何か自分の思い通りになっていない心理状態』がそうさせます。
間違っても説教したり急かすことはしないでください。逆効果です。

今回相談されたお母さんも、『時間がかかってもいいから娘と向き合います』と言って
今も辛抱強く向き合っています。